MINDIVE 浜田道明 個展5/4-5/20

ミチアキさんを初めて知ったのは、天文館にあるBARイパネマだ。「渋い、味のある」それがピタっとハマる風貌のおじさんが、自分の人生を歌っているようだった。フォークでブルースで、そしてシャンソンなその歌に、私は強く心掴まれた。「歌は技術が全てではない」と改めて教えてもらった。
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「どこか天文館のお店のマスターなのかな?」毎回歌う前に来て歌ったらサッと居なくなる。お店の合間に歌いに来てるのかな?と思っていた。
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ある日、初めて、私とミチアキさんの歌う出番が前後したことがあった。私はその時、何年か越しに初めて声をかけた。サングラスしていて声をかけ難い雰囲気の人だから「いつも楽しみにしてます」とソレだけで結構ドキドキした(笑)
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「ありがとう」と外したサングラスの奥には、なんともキラキラした瞳が隠れていた。少年のよう、とはコレだ!この瞳だ!と妙に感動した。
「ギター弾くの?」と、私が手に持つギターを見て言うので「はい、次歌います」とコタエた。「じゃあ聴いていこうかな」と返ってきたのでビックリ!考えていたセットリストがどうでもよくなったことは今でも思い出せる(笑)
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きっとすぐ帰られるだろう。そう思っていたから、私は、「ミチアキさんに聴いてもらいたい1曲ってなんだろう?」と即座に自問自答。出したコタエは「いつか忘れてしまっても」だった。一聴すると男女の恋歌にも聴こえるこの曲、実は裏テーマが認知症。その想いも話した上で、私はソレを歌った。
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ミチアキさんは結局、私のステージを全部聴いていってくれた。それが嬉しくて嬉しくて。けれど挨拶しようとした時には、いつものようにミチアキさんはもう居なかった。
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それから1週間ほど経ったある日。私は新栄町のスタジオSTOMPに行った。いつもお世話になっているピアニストきたぞのまゆみさんとのリハーサル。
ストンプでの時間は先ず、珈琲飲みながらの雑談から始まる。まゆみさんのご主人でもあるストンプの原口さんと、たまたまミチアキさんの話になった。「昔からの仲間なんだよ」といろいろなエピソードを話してくれた。
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その時!私は初めて気づいた!あ!!!ちょっと待ってください?!ミチアキさんてボアールの白い絵の人ですか?え?てことは、イパネマの赤い絵の人ですか???え???ジャンクの緑の絵の人ですか?!てことは、ストンプの青い絵もそうですか???
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ミチアキさんは、ミュージシャンでも天文館のどこかのお店の人でもなく、画家だった。ニューヨークで個展経験もある。私が行く先々で迎えてくれる大きな絵。行けばその場所ならでは、という絵。その作者が、ミチアキさんだった。
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私は、1週間前のイパネマでのことを原口さんとまゆみさんに話した。いつもはサッと帰られるのに、全部観てくださってすんごい嬉しかったんです、って。ミチアキさんに聴いてもらうなら「いつか忘れてしまっても」だな、って歌ったんです、と。急に2人が「え?!」という表情で、お互い顔を見合わせて私に言った。「さくらちゃん、それは相当印象に残ったと思うよ。ミチアキさん、つい先日お母様を亡くされて。認知症だったんだよ」と。しかも、すぐ帰られる理由がお母様の介護だったと。もうその話に私の方が衝撃を受けてしまって。(このエピソード載せるの迷いましたが。。!)
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長くなりましたが。。。
それ以後、ミチアキさんとのエピソードはいろいろと続いていますが、その度に「なんて素敵な人なんだろう」って、思えるんです。
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ミチアキさんの個展。
楽しみすぎます。
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「MINDIVE」
浜田道明 個展
5月4日から5月20日まで
good_neighbors_kagoshima 
営業時間11:00-19:00
定休日 毎週火曜日、第2、4水曜日
鹿児島市住吉町7-1
099-295-6658
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中原慎一郎さん「持ち出し」(笑)ありがとうございます。
個展ポスター
伝説の置き絵

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