モノフォリオjam !

昨年から始まった「モノフォリオjam」。メンバーの皆さんお忙しいミュージシャンばかりなので、集まれないなら集まることを習慣に出来るようにLIVEを定期開催してしまおう!というのが発端のようです。
そんなイベントの初回ゲストに呼んでいただけたのは大変光栄でした。自分の曲を、この錚々たる皆様が演奏してくださる中で歌えることは、もうとてつもない楽しさで!音楽が出来ることの幸せを改めて感じました。

第2回、私もお客として行ってきました!ゲストは、そんな私とモノフォリオとの縁を繋ぐキッカケをくれた張本人コジマサトコちゃん。セイカさんと橋本さんが私の歌を最初に聴いたのが、コジマサトコ「Life」のアルバムリリースLIVEの時で。あの時サトコちゃんが私を呼んでくれていなければ、モノフォリオjamに私が出ることも無かったかもしれない、って思うと「縁」というものの持つ、異なもの味なもの感に面白さを見出せます。
コジマサトコちゃんのアルバムは1枚目の「utau」も「Life」も基本、彼女のギターと、からみゆかさんのコカリナと、白澤さんのジャンベから成っています。それももちろん素敵ですが、今回のライブでのこの大人なモノフォリオバンドサウンドで、さらに彼女の持つPOPなソングライティングの能力が際立ちました♪ 聴いてるこっちもワクワクして、とっても楽しかったです。コジマサトコちゃん本人も終始笑顔で、楽しくて仕方ないんだろうなあ!というのがバシバシ伝わりました。

モノフォリオは、ベース/平田瑞穂さん、ドラム/大久保重樹さん、ギター/原口裕之さん、ピアノ/きたぞのまゆみさん、そしてヴォーカル/岩下セイカさん、です。(音響はクロワズモンの松本充明さん) 鹿児島の絶対安定ミュージシャンの皆様です。

そんなモノフォリオjamのチケットは、冊子型になっていて読み応えもあります。実は今回、その中の1ページをいただいて、1500字程度で「モノフォリオと私」という文章を寄稿したのです。モノフォリオの曲タイトルを文章に使用する且つノンフィクションにする!という、大変面白い経験になりまして、私自身、気に入っている文章となりました(^^)♪ つきましては、こちらに紹介させていただきたいなと思います♪
「モノフォリオと私」
文・東郷さくら

子どもの頃、車酔いをしていた私はバスが苦手だった。公共交通機関での移動はもっぱら電車。時は過ぎて、いつのまにかバスが大丈夫になった。自動車性能の進化のおかげか?はたまた私の何かが変化したのか?今度は不思議と電車には乗らなくなった。バスの「一度座ってしまえばそこが私の世界」みたいな空間が嫌いではない。いや、むしろ好きなのかも。短距離でも長距離でも乗ってしまえばあとは到着を待つだけ。いつもの風景が、気がつくと「ここはどこ?」みたいな感じで、ちょっとしたタイムスリップ感がある。今でも多少気をつけなければ車に酔うので、バスの中では本もiPhoneも見ない。音楽を聴いていたり、移り変わる外の景色を、ただジーっと眺めていたり。

子どもの頃の家族との外出の時は、車に乗ったら寝るようにしていた。移動中の外の景色を見るなんてほとんどしなかった、というか出来なかった。ただ、車酔いをしてしまった場合にだけ、走行中でも窓を開けてもらった。車を停めてもらったところで具合の悪さは簡単にはおさまらないので、車を走らせながら窓から風を全顔面に受ける方が気分は良かったのだ。そんな時、ふと眺める車窓からの景色の中に「わ。。。」と心打たれる時があった。雨上がりの微かな香り漂う景色の中に、虹を見た時もあった。虹の次の日はその虹ばかり考えていた。深夜移動での車内、ふと目覚めると深い森の中で、木々の隙間から見える夜空の向こう側を何度も何度も妄想した。その夜空を越えて行ったらどこにつながっているのだろう?。。なんてワクワクしながらまた目を瞑る。目を閉じていると、ただ耳だけが世界と私をつないだ。外から聴こえてくる知らない誰かの微かな声や信号機や吹く風の音や。海の近くを走ると海の音。いつか見た波の記憶をたどると、いつかの海のいつかの記憶へ飛んでいく。

車内ではカーステレオの音。父の運転する車には必ず何本ものカセットテープがあった。そのラインナップの中から、父は私に選曲を任せてくれていた。カセットテープは今のCDのように、簡単には曲を飛ばして選べないのが当たり前だったけれど、それでも「自分が選んだ曲をかけていい」そんな時間が私はとても好きだった。車に酔う、という不安さえも忘れる時間だった。

「What is your happiness?」もしかしたらそういう子どもの頃の制限された世界で見つける喜びや楽しみが、今の私に大きな影響を与えているのかもしれない。あの頃のあの気持ちを思い出していると、なんだかホームシックにも似たような感覚が生まれた。

幼い私は、車窓から見つけた飛んでいる鳥に、呼びかけていた。「ねえ、鳥さん鳥さん、そこからは何が見えるの?」What is your happiness? 何があなたの幸せか?それは私にも鳥にもわからない。Going to Tomorrow. 毎日を明日へ向かい進んでいくだけ。ねえ?Birdy。そしてまた、夜があける。
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This story is Inspired from the Album「Natural Harmonics」by mono-folio. (「Birdy」「Deep in Forest」「夜空を越えて」「波の記憶」「What is your happiness?」「ホームシック」「微かな香り漂う」「Going to tomorrow」「虹の次の日」「What is your happiness? part-2」)
and 「夜があける」by satoko kojima
(注)mono-folioとコジマサトコさんの曲名を利用した文章ではありますが、これはあくまでもノンフィクションです。

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