ハナとサクラ
ハナちゃんのパパはポン菓子を作ります。昔ながらの製法で「ポンっ!」。なかなかの迫力で、お祭りは盛り上がります。
ポン菓子はお米から作るシンプルなお菓子。ハナちゃんのパパが作るポン菓子の味付けはザラメだけ。ハナちゃんのパパはポン菓子を作りながら、講談師さながら、ポン菓子の歴史物語を繰り広げていきます。
私がポン菓子を食べていたら、ハナちゃんがやってきて、となりにちょこんと座りました。ハナちゃんは当たり前のようにポン菓子の袋に手をのばし、ポン菓子を美味しそうに食べ始めました。「美味しいね」と私が言ったらニコニコして、うん、と深く頷きます。
ハナちゃんにとって、ポン菓子は父の味なんだなあ、と感じました。私にとって、私の父が作るパンのように。
「ハナちゃん、おばちゃんの名前ね、さくら、って言うんだよ。さくらってお花の名前なの。ハナちゃんと同じだね」
するとハナちゃんは、私に目を向け、少し瞳を大きくして、またポン菓子食べ始めました。
撮影 セイナ
鹿児島、坂元玉里団地にある、
同朋寺にて。
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